美容の茶としてメディアで定期的に話題に上る「白茶」。
緑茶や紅茶、烏龍茶などと並ぶ長い歴史を持つ代表的な茶の分類の一つです。香港では食事と一緒によく飲まれます。
美白美肌の茶として昔から有名で、美容関係にご興味がある方ならご存知かもしれません。 元々、福建省で作られていた珍品ですが、近年はインドのダージリンやネパール、台湾などでも僅かですが作られるようになりました。
中医学では食物が体内に入ったときに起こる作用を「食性」として分類しています。 白茶は「清涼性」。体を冷やすのではなく、余分なほてりやのぼせを取ると言われています。 ジメジメした蒸し暑い季節や、日焼け対策として重宝される茶です。 以前、福建省の白茶の産地を訪ねた際、地元の人たちからこんな話を聞きました。 「子供が麻疹で熱を出した時、私たちは抗生物質ではなく白茶を与えるんです。」
ヨーロッパ、特にフランスでは「白い紅茶」と呼び、香水の原料としても使われています。 日本国内では殆どがリーフティーで、専門店以外ではあまり見かけることがありませんでした。ティーバッグにすることで、このお茶の魅力をもっとたくさんの方に知っていただければと思っています。
サブタイトルにある「白牡丹(はくぼたん)」は、使われる部位によっての呼び名です。白い産毛に包まれた新芽だけを使う最高級品が「白毫銀針(はくごうぎんしん)」、少し育った新芽とその下の葉を使うのが白牡丹。その他、新芽と葉の含量によっていろいろと名前が変化します。 希少な新芽のみで作られる白毫銀針のほうが格は上だが、味は白牡丹がいい、とも言われます。
【白茶の特徴】
白茶は福建省の特産で、主要生産地は福鼎(フーディン)、政和(ヂェンホー)、松渓(ソンシー)など。
産毛で覆われた香りが柔らかく清らかなのが特徴。軽微発酵茶に分類されます。
産毛に覆われた新芽が雪のような白銀色なので白茶と名付けられました。
↑白毫銀針は新芽だけで作られます。
【歴史】
宋の時代に白茶と呼ばれる茶がありましたが、現在の製法とは異なる蒸し工程を経て緊圧した団茶でした。
現在の白茶の製法は清の時代、1769年から始まり、1885年に福鼎大白茶という品種で白毫銀針を作ったのが始まりとされています。
【白茶の製法】
・摘採 → 萎凋 → 乾燥
炒り、揉みを行いません(不炒不揉)。酵素の活性を破壊せず、また発酵の促進もしないことで特徴のある白茶の味と香りを作ります。
【入れ方例】
・カップを温める
・沸騰したあと一呼吸おいた熱湯(湯沸かしポットからの湯でも可)をカップに注ぎます。
・湯の上からティーバッグを投入(少し勢いをつけてポンっと浸けてあげます)。
・ソーサーなどで蓋をして1〜2分蒸らします。
・ティーバッグを少し揺らした後、そっと引き上げます。
濃いめに抽出して氷で急冷するアイスティーもおすすめ。
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