日本同様、中国、台湾でも一年で最も優れた茶が作られるのは春(もしくは冬)、朝夕の気温差が大きく、ゆるやかに暖かくなる季節です。一方、夏の茶は(紅茶をのぞく)前述の茶に比べて品質が劣るというのが定説です。その中で、ある理由からこの暑い季節にあえて作られる茶があります。
最高気温がゆうに30度を越える台湾の6月は既に夏。その時期、一部の茶畑には、稲の害虫として知られる小さな緑色の羽虫「ウンカ」が飛来します。ウンカは伸び始めた小さな芽や葉(そう、これから商品になろうとする部分です)にとまり、あろうことかそこから若葉のエキスを吸い取ります。ウンカに噛まれた葉は黄色く変色し、普通であればこの時点で商品価値を失うことになります。
しかし、ここからが自然の大いなる神秘。(ひとつの説として)攻撃を受けた茶の樹は自らを守るためにウンカの天敵となる昆虫などを呼ぶための分泌物を生成します。この芽葉を摘んで製茶をすると、まるで蜂蜜にも似た芳醇な香りを発するのです。
これが甘くフルーティーな風味で誰をも魅了する「東方美人」。台湾で最も有名な茶のひとつです。
もとは放置された茶畑がウンカの害を受け、ある農家がそれを摘んで製茶したところ、それまでにない風味の烏龍茶ができたというエピソードがはじまり。
19世紀、ヨーロッパに輸出されたこのお茶を、イギリス王室は「オリエンタル・ビューティー」と名付け、以後そこに漢字を当てた「東方美人」という美しい名前で呼ばれるようになりました。
小さなウンカ芽(ウンカが噛んだ芽や葉)を丁寧に手摘みする東方美人は希少価値が高く、非常に手間のかかる茶。台湾国内でも人気が高いため、本物の東方美人は極めて希少な茶です。
同じようにウンカを使う茶には有名な「ダージリン」の一部や台湾の蜜香紅茶、貴妃烏龍などがあります。
台湾の有機認証は 完全無農薬・無化学肥料の有機栽培 でなければ得られません。
台湾で有機認証を得るにはまず認定機関による 微量元素の土壌検査 に合格しなければなりません。
(合格するには、通常2年以上前から訓練を受け、その無農薬有機栽培を実践している必要があります。)
そして最低でも 3年以上認定機関の指導下におかれ厳しい検査を受け続けます。
さらに有機認証を得てからも、抜き打ち検査が行われ 農薬使用などの不正が発覚すると認証剥奪 となります。
台湾の有機茶は 農薬・化学汚染フリーの極めて安全な茶葉といえます。
完全無農薬・無化学肥料の有機農法によって育てられた茶樹は、地中深くまで根を張りめぐらせます。
茶樹本来の生命力が高まり 滋養を存分に蓄えるため、茶葉が肉厚になるとともに旨味が濃くなります。
一般に化学肥料を使うと茶葉は大きくなるものの肉薄になり天然の旨味成分は減少します。
有機茶は一般茶に比べて 淹れられる回数が1.5倍から2倍ほど多くなります。
この回数の多さからも 有機茶の旨味が濃い ことが分かります。
契約茶園は台湾、USA、日本、EUの有機認証を獲得した非常に稀な農園です。
3000m級の高山が連なる台湾中央山脈の山腹にあり高山茶園として理想的環境が整っています。
高い有機栽培技術によって 特有の高山気が十分に含まれた有機高山茶を是非お試しください。