春、芽吹く草花を感じさせるパステルカラーのマグカップで始まる一日。
 夏、きらきらと陽の光が反射している様が涼し気でかざして見たくなる硝子たち。
 秋、無花果のタルトはジャムも添えてウッドトレイへ。
 冬、冷たさが頬にささるような日はぽってりとしたカップでチャイを。

 移り行く自然に合わせて変化する感覚ってありますよね。食べたいもの、見たいもの、いいなと感じる色、形、触感。
 季節ごとに衣替えをするように、カップや器など日常雑貨の一つに変化をもたせてみる、というのはいかがでしょうか。シンプルですが案外奥深いですよ。

 いざやってみると、今まで自分の中で無意識にカテゴライズされていた部分の理由に気づくようになります。
 例えばウッドトレイを使うときは、あたたかみが欲しいときかもしれないというように。木の実や果実なんかを使ったスイーツもいいですし、トーストやクロワッサンと合わせたら一気に春の陽気感じるピクニック気分になりませんか。


■カップと合わせても使いやすいウッドトレイ(KINTO)

 グラスなど硝子の透明感は冷涼な演出が上手なので、暑い時期がぱっと浮かぶ方が多いことでしょう。温度を下げて淹れた煎茶を小ぶりのグラスに、氷を一つ。青空が浮かぶ情景です。
 また、冬に飲むホットワインやフルーツティー、ハーブテイーにガラスカップを合わせるのもおすすめです。色が綺麗に映えるので、それだけでふわふわと気分が上がっていくのが分かります。


■丸みのあるガラスカップ(KINTO)

 同シリーズで揃えて使い道を考えるのもわくわくしますね。例えばこのソルジェンテ。同じ色で片やソーサーと合わせたくなるカップ、片やしっかり高さがあるマグカップです。
 カップはコーヒーでも紅茶でもいいですね。ミルクティーにしてスコーンと並べたらブリティッシュ空間が完成しそうです。
 マグカップの方は、もこもこのものを入れたいですねえ。カフェラテもいいですし、スチームしたふわふわのミルクの上にキャラメルソースをかけたりして。またはポタージュを注ぎ、少量の生クリームでおめかししたらそっとクルトンを添える。うーん、おいしそう!


■ソルジェンテのカップ&ソーサー(studio m')

 好きな料理や食べたいものを思い浮かべてから器を選ぶのもいいですよね。反対に、このデザインが好き!と思ったものをどう使おうか考える時間も素敵です。
 個人趣味の陶芸で作品を創るとき、こういう形にしたい、どんな色にしたいというアイデアは浮かぶのですが、完成したものに何かを盛り付けるとなるとイメージ映像が全然出てきません。
 どちらかというとインテリア寄りの使い方しか思い浮かばないので、プレートにしてもカップにしても、見た時に日常の一部となっている光景がぱっと浮かぶのは、作り手のセンスや技術によるものなのだなとしみじみ感じます。
 
(小野更紗/コノハト茶葉店)