ハーブティーのように花を乾燥させた茶ではなく、緑茶に花の香りをうつしたものです(烏龍茶を使うこともあります)。
あまり知られていないのはその製法。
当日開花する予定の花のつぼみを摘み取り、温度管理をしながら夜を待ちます。 その夜、一斉に開いた花と茶葉を混ぜ合わせ、茶に花の香りをうつします。 花を取り除いて乾燥させ、また新しい花を混ぜては香りをうつし、花を取り除く・・・。
茉莉花茶の等級は茶の品質とともに、この工程の回数によっても決まります。
弊社の茉莉白龍珠(=mo li bai long zhu・・・はくりゅうじゅ、ばいろんず、ぱいろんじゅ等、日本での呼び名は統一されていません)は、主に白茶の原料、福鼎大白という品種の新芽部分と茎を用い、コロコロと丸めた小さな球状のお茶。
清らかに甘い高級ジャスミン茶です。
【茉莉花茶の歴史】
隋〜唐の時代、現在の北京と杭州を南北に結ぶ巨大な京杭大運河が開通すると、多くの緑茶が北京へと運ばれるようになりました。ただ、今のように速い交通手段も冷蔵庫もなかった時代のため、運搬途中で茶は劣化します。後年、これを美味しく飲むために花の香りをうつしたのが茉莉花茶の始まりと言われています。加えて北京の水質の悪さも理由のひとつでしょう。
【茉莉花茶の製法】
炒って酸化を止め、熱空気で乾燥させる「烘青(こうせい)」という分類の緑茶を使います。茶葉は気孔が多く、茶が持つ一種の化学物質も強い吸着作用を持つため、空気中の水分や香り、匂いを吸いとります。烘青緑茶は組織細胞の構成が密でなく香りを吸う力が強いため花茶の原料としてよく用いられます。
《香り着けの工程》
・茉莉花の準備
つぼみの熱を取り温度を下げるため大きなシートなどの上に茉莉花を広げます
↓
花を積む→広げる→積む→広げる、を交互に行うことで鮮度を保ちながら一斉に開花させる準備を整えます。
↓
6分以上開いたら篩にかけて、まだ開いていないつぼみを取り除きます。
↓
広げた茶葉に、茉莉花茶を重ねます。この時に茉莉花茶の香りを引き立たせるため、玉蘭花を加えることもあります。
↓
茶葉と茉莉花を混ぜ合わせます。
↓
再度積み、少し放置し香り着けを行います。
↓
花を取り除きます(起花)。
↓
花から吸った水分を取り除くために茶葉を乾燥させます。
↓
乾燥の熱を冷やします。
↑ここまでの工程を数回繰り返します。
↓
香りの鮮度を上げるため、少量の茉莉花を混ぜ合わせます。
↓
全ての花を取り除きます。(起花)
↓
箱詰め。
お勧めの淹れ方
グラスで召し上がるのが一番簡単。耐熱のグラスにコロコロと茶葉を入れて、200ccのお湯なら4g〜5g程度。カレーライス用(?)のスプーンに小山で一杯入れてください。沸騰したお湯(ジャスミンの香りは高い温度で綺麗に立ち上がります。このジャスミン茶は沸騰したお湯で淹れていただいても苦味などは出ませんのでご安心ください。)をそそいだら、適当な小皿などでフタをして、茶葉がほどけてきたら飲み頃です。良質なジャスミン茶は茶の色が薄めですので、まだ早いかな?というくらいの色が出ていたら充分です。
お湯が少なくなったら、飲みきる前にまたお湯を注いでください。
香りがなくなるまで楽しめます。
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